Edward Green シングルモンク Uチップ Clapham ユタカーフ

2024年1月9日火曜日

Uチップ エドワードグリーン シングルモンク 靴紹介 先輩

どうも、先輩です。


今回は、1本目の記事“とあるバーにて”で、先輩である私が手を出してしまった、エドワードグリーンの靴を紹介したい。

エドワードグリーンというと、革靴好きなら知らない人はいない、イギリスの老舗革靴メーカーだ。

今更私が説明するのも畏れ多いくらいだが、1890年、ノーザンプトンの小さな工場がグリーンのはじまりらしい。

ノーザンプトンは、皆さんご存知のとおり革靴の聖地であり、ロンドンから100kmほど離れたところにあるそう。

ロンドンからノーザンプトンまでの地図
ロンドンから電車で1時間ちょっとらしい

グリーンをはじめ、あのキングオブシューズのジョン・ロブやクロケット&ジョーンズ等の数々の革靴メーカーのファクトリーショップがノーザンプトンにあるというので、是非ともいつか行ってみたいものである。


前置きはこれくらいにして、私がエドワードグリーンの靴を購入するに至った経緯について書いていきたい。

そもそもグリーンは定価だと20万円台がボリュームゾーンで、私のような薄給サラリーマンには縁遠い存在である。(こんな安月給じゃもうキャパオーバーである。)

そこでもちろん、某フリマアプリで中古のものを購入した。

私はフリマアプリで靴を眺めるのが好きなのだが、最初はグリーンを買おうと思っていたわけではなく、シングルモンクの靴を探していた。

毎朝通勤していると、靴紐を結ぶことすら煩わしいときがあるかと思う。早起きが苦手な先輩にとって、紐を結ばなくて良いローファーやシングルモンク等は魅力的に思えた。

そんなわけでシングルモンクを探していたのだが、レイマーのインスタでちょうど良いのを見つけた。それがそのとき新モデルとして紹介されていたAlroyだ。


Alroyはシングルモンクで尚且つUチップとなっており、珍しいモデルだった。私はUチップを持っていなかったので、「シングルモンクだけでなくUチップも手に入れられる。これはアリだ。」と思った。 

レイマー以外にも似たようなモデルはないかと思い、早速某フリマアプリで「シングルモンク Uチップ」と検索した。

そこでようやく話がグリーンにつながる。

検索結果の中で目に留まった靴があった。それがエドワードグリーンの「Clapham(クラッパム)」というモデルだった。

エドワードグリーン クラップハム ユタカーフ
見た目はAlroyにとても似ている。というか、レイマーがクラッパムを意識している?

シボ革で色はバーガンディ。そしてその洗練されたフォルムに、先輩は一目惚れしてしまった。サイズも問題なさそう。






気付いたらクラッパムを購入していた。

(やれやれ…)






数日後届いた箱を開けた瞬間、どこかで嗅いだことのある香りが漂った。

これはサフィールのクレム1925だ!(こちらの記事参照)

クレムを使って磨いていること、シボ革にも関わらずトゥ部分が丁寧に鏡面されていることから、出品者の方はかなりの革靴好きかと推察いたします。(撮った写真は鏡面を落とした後のものになりますが…)


ところで皆さんはクラップハムという名前を聞いたことがあるだろうか。私はもちろん知らなかった。グリーンといえば、チェルシーやドーバーであれば革靴ビギナーの私でも聞いたことがある。でも購入したのはそのいずれでもなく、「クラッパム」。

クラッパムについて気になったので調べてみると、全然詳しい情報が出てこない。

出品者によると、この靴に使われている革は、フランスのタンナーであるHASS社のユタカーフというものらしい。バーガンディカラーのユタカーフは現在では製造されていない貴重なものとのことである。

そこで、ユタカーフについて調べてみた。

ユタカーフは、油分を多く含んでおり、耐水性や柔軟性に富んだ革と記載があった。何やら9類のオイルが含まれているそうだ。そして、幻の革と言われているロシアンカーフの型押しパターンを模しているらしい。シボ革はプレスをかけているものもあり、固い革というイメージがあるのだが、ユタカーフは柔らかいというのでとても興味深い。


クラップハム エドワードグリーン
触ると確かに柔らかくモチモチしている。

エドワードグリーン 踵
踵はこんな感じ。

何となくユタカーフのことが分かってきたが、シボ革かつオイルが含まれているので、雨でもガシガシ履けそう。(グリーンを雨靴に採用するのは贅沢な気もするが…) 

しかもこの靴、ラバーソールである。まるで雨の日に履いてくださいと言わんばかりである。

エドワードグリーン R1ソール
グリーンオリジナルのR1ソール。ラバーなのにレザーソールに近い返りの良さ。
トップリフトはコンチネンタルのものに交換されている。


また、クラッパムはUチップなのだが、ドーバーと同様スキンステッチとなっている。スキンステッチは、針を入れた後貫通させず革の内部のみを縫い通すものとなっており、グリーンのドーバーを代表に、革靴好きを虜にする意匠の一つだ。手作業の為せる業である。

エドワードグリーン スキンステッチ
トゥ部分のスキンステッチが美しい…
(U字部分はライトアングルステッチと言うらしいです。)


エドワードグリーン 品番
5ハーフのシングルE。小さいかなと思ったが、ほぼピッタリ。

エドワードグリーン 中敷
インソールのロゴは2014年以降の現行のもの。

そしてラストは32ラスト。ラストもドーバーと同じである。

先輩はこれまで何足か革靴を履いてきたが、履いた瞬間感動を覚えたラストはこの靴が初めてだった。グリーンの靴は「土踏まずを突き上げるような感覚がある」と言われるそうだが、まさにそんな感じで独特のフィット感があったのだ。中古靴で本当のグリーンのラストの感覚とは多少異なっているかも知れないがこれは初めての感覚。いつか、新品を履いてみたいところ。(遠い夢です…)

ここで持ち出すのは適切ではないと思うが、何となくオニツカタイガーのメキシコ66を履いた時の感覚に似ていると個人的に感じた。(メキシコ66はソールが薄いので、歩いたときの感覚は全く違いますが…)


この靴は、シボ革でUチップなので、カジュアルよりだが、細身のシルエットとシングルモンクということもあってドーバーよりもドレスよりに見える。

履くシーンには悩むが、お気に入りの一足です。



後輩のひとこと

「本格英国靴は買ってみないとですね。ユタカーフって口に出したくなる響きです。ちなみに僕はいつかエンツォ・ボナフェが欲しいです(イタリア靴ですが)。」


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