レイマーの本気。セミブローグレイジーマン、Lantis(ランティス)の仕様が普通にすごい。

2024年10月25日金曜日

セミブローグ レイジーマン レイマー 靴紹介 先輩





どうも先輩です。


久しぶり(?)の革靴紹介です。

購入してから1年ほど経過しておりますが、今回紹介するのはRaymar(レイマー)のセミブローグのレイジーマン、Lantis(ランティス)。

購入してから1年経過した姿。

この靴、過去の記事でちょこちょこ登場はしているのですが、ちゃんと紹介できておりませんでしたのでここで触れていきたいと思います。

レイマーとは

まずレイマーというブランドについて。今やコスパの高い革靴の代名詞のような存在なので、説明するまでもないかとは思いますが、静岡県焼津市発のネット販売を中心とする国内ブランドです。ネット販売が中心なので、足入れする機会は店舗を持っているブランドほど多くはありませんが、最近はポップアップイベント等も積極的に開催しているようなので、以前よりも試着はしやすくなっているのかなーと思います。ディレクターである大石さんのお人柄も素敵ですよね。


購入の経緯

今回紹介するランティスですが、2023年の新宿伊勢丹のレザー博に合わせて発表されたモデルだったと思います。

そのとき私はちょうどレイジーマンが欲しくて欲しくて仕方がない時期でして、レイマーを試着できる数少ない機会でもあるため、迷いなくレザー博に足を運びました。

なお、事前に公開されていた情報や写真では、かなり派手目の印象だったので、とりあえず試着だけしてみようぐらいの気持ちでした。でも、実物を見たらめちゃくちゃカッコよかったのです…

試着はあの”大石さん”に対応してもらったのですが、その当時は恥ずかしながらディレクターの方であることを知りませんでした…笑 (大変失礼いたしました笑)

大石さんにランティスの魅力をたくさん語ってもらい、実際に履くとやっぱり欲しくなりました…笑

ただ、レイマーの中でもそれなりに高価格帯のモデルだったので、かなり悩みました。

その場では決断できなかったので、「一晩寝かしてそれでも欲しかったら購入しよう」、とその時は一旦我慢しました。えらい。

大石さんも「たくさん悩んでください!」と気さくに振る舞ってくれました。

で、レザー博を後にし帰宅したのですが、家にいても頭にあるのはランティスのことばかり…笑

そのときふと、

『迷う理由が値段なら買え。買う理由が値段ならやめとけ。』

というどこかできいた言葉を思い出し、これだけ悩むなら買って後悔はないだろうと、次の日もレザー博に足を運んだのでありました。


2回目も運よく大石さんにお会いでき、昨日のことを覚えてくださっていました。

1日悩みましたが、是非購入させてくださいと伝えると、大石さんも「まさか購入してくれるとは」というような反応だったと思います笑(一度持ち帰ったら買わない人の方が多そうですし…笑)

それで、購入前に確認の意味でもう一度試着させてもらったのですが、そこで一つ問題が…



何が起こったかは、この記事の後半で触れたいと思います…笑(後半へ続く)

勿体ぶってますがしっかり購入はしてます。

先にランティスの特徴について紹介します。

ランティスについて

既に述べておりますが、ランティスはレイマーの中でもかなり高価格帯のモデルです。この靴は高級靴に見られる意匠や仕様がふんだんに使われておりまして、そのディテールを詳しく見ていきたいと思います!

購入直後の写真。まだ伸び代のあるマット感。

ポイント① 「贅沢な同色異素材使い!」

このランティス、なんとあの「ホーウィン社のハッチグレイン」と「ワインハイマー社のボックスカーフ」の同色異素材使いとなっております!この時点でめちゃくちゃ贅沢!

具体的には、「甲の部分・キャップ・ヒールはハッチグレイン」、「それ以外はボックスカーフ」となっております。ただ、個人的には同色異素材使いは少し派手だと思っていたので、事前情報では仕事では少し使いにくそうだなーという印象でした。だって、「ハッチグレイン・ボックスカーフのコンビ、しかもセミブローグのレイジーマン」なんて履いてたら革靴好き以外の何者でもないじゃないですか笑 でも、実物を見てみると、「あれ、意外と悪くない、むしろ落ち着いててめちゃくちゃカッコいいぞ…!」となりました笑
このような印象を抱いた理由ですが、「ハッチグレインのマットさが、派手なデザインを程よく中和している」のではないかと個人的に思っております。

ポイント②  「頑丈なオークバークソール!」

ソールはあの「オークバークソール」です!こちら150年以上の歴史を持つ英国のタンナーであるベイカー社製です。
型押しの模様もオシャレですね。(今は消えましたが…)

オークバークソールはその頑丈さで有名ですが、鞣すのに1年かかるとても手間のかかる底材となっており、その分お値段も高いです…ただ、ソールの減りがかなり遅く間違いのないソールです。

それにしても、
アッパーは「アメリカとドイツ」、ソールは「イギリス」、製造は「中国」、ブランドは「日本」と…関わっている国多すぎます…!!


ポイント③ 「手間のかかったハンドソーンウェルト(九分仕立て)製法!」

本格革靴ではグッドイヤーウェルト製法が採用されることが多いですが、この靴は更に手間のかかるハンドソーンウェルト製法(手縫いでリブテープを使わない製法)を採用!レイマーの他のモデルもハンドソーンを多く採用してますが、何でこの価格帯で実現できるんでしょうかね…?私自身ハンドソーンは初めてなので、他のブランドとの比較ができないのですが、ハンドソーンの特徴である履き心地の柔らかさ、かえりの良さを感じることができます(硬さのあるオークバークソールなのに!)。レイジーマンは紐で調整できない分ソールのかえりの良さが大事だと思うので、ハンドソーンとの相性は良いのではないかと個人的に思います。

ポイント④ 「シルエットの美しいチゼルトゥ!」

みなさんチゼルトゥはご存知ですかね。チゼルトゥのチゼルは「鑿」のことらしいです。え、「鑿」がわからない?「ノミ」のことですよ。いや、ダニノミのノミじゃなくて、「ノミ」ですよ!と、、、
急な茶番すみません、、、笑 大工さん以外で「鑿」をイメージできるのは革靴好きくらいではないでしょうかね…笑(念の為工具のノミのリンクをこちらに)
さて、チゼルトゥは工具のノミのような形状をしたつま先のデザインですが、ラウンドトゥやスクエアトゥ等と比べるとかなり特徴的ですよね。
このランティスもチゼルトゥとなっているのですが、そこまで激しいチゼルというよりは程よくスクエアトゥ気味で良いバランスだと思います。
存在感のあるハッチグレイン・チゼルトゥ!
(急に最近撮った写真)

ポイント⑤ 「高級革靴に見られる仕様のオンパレード!」
その他、レイマーお得意の半カラス仕上げ、ヒドゥンチャネル、縁焼き加工など、革靴好きを唸らせる意匠が盛り沢山です!正直この辺りの意匠は特段履き心地には影響しないため、個人的にはなくても良いかなと思いますが、やはりあると嬉しいですよね。

半カラス、ヒドゥンチャネル、縁焼き加工!

以上、この価格帯の革靴とは思えない仕様・意匠の数々…
そして、そもそもレイジーマン自体、ビスポークを起源としている型なので他のブランドだとそれなりの値段がするイメージです。

この価格帯でこれらの仕様を堪能できる革靴は探してもあまりないんじゃないかなと思います。

サイズ、履き心地等

5ハーフ(23.5cm)です。ライニングは山羊革。

このランティスは、ウィズがEEです。私は23.5cmを選びましたが、チゼルトゥで親指のゆとりが少なめなので、ワンサイズあげても良かったかもと思いました。1年経過した今も親指が結構当たるんですよね…ただ、サイズを上げると、紐靴ではないので踵が抜けやすくなってしまうというジレンマもあります。レイジーマンはサイズ選びが難しいのでこれは仕方ないのかもしれませんが、以前紹介したシューズストレッチャーを試してみても良いかなと思ってます。ソールのかえり自体は既に述べているとおりかなり良いので、親指の詰まりが解消されれば理想の履き心地なのですが、もう少し履き慣らす必要がありそうです。


以上、ランティスの特徴の紹介でした。


購入前に気づいた点について

最後に、勿体ぶっていた購入直前に発生した問題についてですが、まずこちらの写真を見ていただけますかね。

写真だと全く分からないかもしれませんが、何が問題かというと、実は右と左でハッチグレインのシボ感が違うんです。

具体的には左足のシボがかなり薄れているんです。

手前の左足より奥にある右足の方がシボ感がはっきりしてませんかね。


一晩寝かして購入すると決意しましたが、直前になってこのまま購入するかは正直かなり悩みました。(そのときサイズが残りこの1足しかなかった。)

大石さんにもシボ感の差異がちょっと気になる旨伝えると、吊り込みの過程でどうしてもシボが伸びてしまうことがあり、トゥ部分のシボを左右揃えるのはかなり難しいとのことです。

確かに、自分の持っているリーガルのシボ革プレーントゥもつま先のシボが伸びてます。

購入するかどうか暫く悩んでいると、、、、大石さんから、「履いていく中でどうしても左右の違いが気になるのであればいつでも連絡してください。靴をお預かりし、右足のシボを伸ばすことで左右を揃えることはできますよ。」とご提案いただきました。

なるほど、「シボを作ることはできないが、伸ばすことはできる」と。

正直、「せっかくのハッチグレインなので伸ばすのは勿体無いかな」と思いつつも、こちらの意見を踏まえた提案をしてくださり、顧客を大事にしているブランドなんだなとそのとき感じました。

そのときもらった名刺。あとになっても対応できるようにメモを残してくれました。

また、左右の違いもこれまた味というか、革製品のある意味醍醐味、履いてくうちに気にならなくなるだろうと思いました。最終的に、大石さんのご提案もあり、購入に踏み切ることができました。めでたしめでたし。

結局今は全く気にしてません笑

その後大石さんとはお会いできていないので、こちらのことは覚えてはいらっしゃらないと思いますが、次にお会いする機会があれば是非ご報告したいですね笑

エイジングも良い感じ!

上半期は天気が不安定な日が多かったため、レザーソールであるこの靴の出番はそこまで多くなかったのですが、下半期はガシガシ履いていきたいです!

おまけ
伊勢丹レザー博の購入特典でホーウィン製のキーホルダーを貰いました。地味に嬉しい。

後輩からのひとこと
「レイマーの中でもかなり高いグレードの靴ですよね。使っている革のコンビネーションがすごいです。おっしゃるとおり、履くことによって私は靴好きです、と宣言しているような靴ですね。サイズ感は、試着してもこうなることがあるので、とても難しいですが、なんとか馴染むことを期待したいですね。個人的には、自分の素足の全長を把握しておくことがキモだと考えてます。私はレイマーを持っていないのですが、レイジーマンを狙う場合、レイマーはいくつかのモデルを用意してくれていて、有力候補に入ってきます。あ~2万円くらいでかっこいいレイジーマン買えないかなあ〜笑。」

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