格安でコードバンの靴を入手しました。そもそもコードバンって?

2025年8月18日月曜日

REGAL コードバン リーガル 靴紹介 先輩

どうも先輩です。


さて、半年以上前の話ですがとあるブランドのコードバンの靴を格安で入手いたしました。

その靴がコードバンとは何なのか、改めて考えるきっかけを作ってくれたので皆さんにもご紹介したいと思います。

その靴がこちら。(未メンテです)





めちゃくちゃギラギラしてます。ガラスレザーと思うくらい。

で、ブランドですがリーガルです。リーガルの現行品にはコードバンの靴はありませんが、一昔前にはインペリアルグレードというラインでいくつか出していたようですね。

モデルは2112というもので、外羽根部分のちょっとしたメダリオンが特徴的ですね。

気になるお値段ですが諭吉(渋沢)1人でお釣りが来ました(笑)

コードバンは中々手が出ないくらい近年価格が上がってますので、これは破格です。

もちろん安いのには理由があります。

こちらの写真を見てください。



がっつりクラックがあります。

しかも両足とも左右の履きジワのあたりにしっかりと。

まあ実際に履いてみると案外気にならなかったです。

そしてなんと、このクラック以外はライニングやソール、ヒール含め結構状態良いです。

逆になぜクラックが入ってしまったのか疑問に思うくらいそこまで履き込まれていない気がします。

購入の理由ですが、値段もありますがコードバンのクラックの補修をしてみたいと思ったからです。

そもそもコードバンは、馬のお尻のあたり(臀部)の革ですが、カーフ等のスムースレザーと異なり、銀面(革の表面のツヤツヤした部分)を削り、コードバン層と呼ばれる層を露出させることでできる素材です。(他にも細かな工程がありますが大まかに。)

要は、削らないとコードバン層には到達できず、削った直後はスエードとかと同じように毛羽立った状態らしいです。

で、素人の先輩はふと思いました。そもそも削ってコードバンにしているならクラックができてもうまく削って均せば良い感じになるのではないか?と。

実際、光沢感が薄れてしまったコードバンのケアとして、表面を軽く削って復活させるというという方法があるようです。(推奨される方法かは分かりませんが)


しかし、今回の靴の場合、そんな簡単な話ではないことに後ほど気づくのでした。


届いて現物を見てみると…


なんかぺりぺり剥がれてない…?

とりあえず、よく分からなかったので、インスタにて修理方法を募集してみることに。

するとありがたいことに何件かコメントいただき、その中で気になるコメントが。

内容としては、樹脂コーティングされたコードバンではないかというもの。

え、コードバンの樹脂コーティングってあるの…!?

恥ずかしながら、私はコードバンの仕上げにも色々あることをその時知りませんでした。

で、少し調べてみると…

コードバンには大きく分けて「オイルコードバン」、「水染めコードバン」、「顔料仕上げコードバン」があるようです。

まず、オイルコードバンですが、こちらはオールデンで使われるようなシェルコードバンとかです。コードバンと言えばこちらをイメージしている方が多いと思います。仕上げにオイルを染み込ませているので、柔らかさとギラリとした艶が特徴です。

次に、水染めコードバン。こちらは植物性のタンニンにより鞣した革を、アニリンという染料で染めたものを指すそうです。世界的にはマイナーですが、日本のタンナーでは結構この水染めがあるみたいです。特徴としては、染料の膜が薄いため、革本来の風合いが味わえ、使い込むほど経年変化を楽しめるといった点です。

上記2つは、コードバンの弱点である雨染になりやすいという点は共通しています。また、どちらも経年変化を楽しむことができます。

一方で、最後の顔料仕上げコードバンですが、ウレタン樹脂等でコーティングされたコードバンです。おそらく今回購入したものはこちらに該当しそうです。冒頭で述べたガラスレザーっぽいというのはあながち間違いではないかもしれません。

樹脂コーティングは雨にも強く耐久性がありますが、どちらかというと革質にムラのある革に対して品質を均一にするために施されるイメージがあります。

コードバンは前述の通り、銀面を削ったりと手間がかかる素材のため、その手間をかけた上で樹脂コーティングするのは何だか勿体無いなぁとか私は思いましたが皆さんどう思いますかね?

で、なぜ顔料仕上げとするか調べてみると、こんな理由を見つけました。

それは、以前よりも一頭から取れるコードバンの量が減っているからという理由です。

昔の農耕馬はパワーが必要で身体が大きく、はっぱをかけられお尻の革も厚かったそうです。昔は一頭から一足分程度の革が取れていたようですが、現代のお馬さんからは片足分がやっとなことが多いみたいです。すると、何が起こるかというと、左右の靴で質感が違ってしまう…それを解決するために顔料仕上げがされるといった具合です。

この説明には結構しっくり来ました。

また、日本においてはこの顔料仕上げが積極的に採用される製品があります。

何かわかりますでしょうか?


正解は、ランドセルです。

片足分の靴でやっとなのに、ランドセル一つ分のコードバンを一頭から取るのは到底無理ですよね…笑 これも納得。そもそもコードバンを使う理由ですが、6年間の使用に耐えうる強度がコードバンにはあるからみたいです。ランドセルにコードバンを使うのは随分ブルジョアだなと思いますが笑

話をコードバンのクラックに戻すと、この靴は樹脂コーティングのため通常のコードバンのように削ることによって均すというのはちょっと難しそうです。

やるならパテでクラックを埋めるか、いっそのことコーティングを丸々剥がし染め直すか、といった感じでしょうか…

前者なら自分でできなくもなさそうですが、満足のいく仕上がりにはならない気がします。

後者は素人がやるのは難しそうですね。youtubeで同じく樹脂コーティングのリーガルコードバンのコーティングを剥がし染め直す動画が挙がっていたので、プロに依頼すればできたりするのかもしれません。

というわけで、自分ではどうにもならなそうなので一旦棚に上げている状態です…(笑)

とりあえずこのままの状態で履いていこうと思いますが、果たしてメンテすることはあるのでしょうか…乞うご期待。

後輩からのひとこと

「コードバンはいつかは欲しいと思うのですが、水染めコードバンしか聞いたことありませんでした…。オールデンはオイルコードバンなのですね、フムフム。

今回の靴は羽根のメダリオンが好みです!樹脂コーティングの剥がれは、気にするも気にしないも先輩次第ですね!!」



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