CAPIC(刑務所作業製品ブランド)について

2024年8月25日日曜日

CAPIC 革靴以外 革小物 先輩

 どうも先輩です。


突然ですが、皆さんは CAPICという名前を聞いたことはありますか?

CAPICは「Correctional Association Prison Industry Cooperation」の略です。「Prison」という文字でピンときた方もいると思いますが、いわゆる刑務所作業製品というやつです。

先日たまたまCAPICの即売会に立ち寄る機会があり、私自身もCAPICの存在を割と最近知りました。

刑務所作業製品に対しては人によって様々な印象・意見があると思いますし、革靴とは直接関係ないので、このブログの記事にするかは悩みましたが、私のようにそもそも存在を知らないという人もいらっしゃるかなと思い取り上げることにしました。それに何より購入した革製品が思いの外良いものだったのです。


刑務所作業製品とは


そもそも刑務所作業製品がどんなものかですが、言葉から何となく分かるとおり「刑務所の入所者等の刑務作業により製造された製品」を指します。刑務作業とは、懲役◯年といった刑法に定められた刑罰によるものですが、受刑者の更生・社会復帰のために、職業的な技能を身につけるという趣旨もあるようです。興味のある方は、CAPICのサイトに詳しく記載されておりますので、そちらをご覧ください。直販サイトやイベント情報もあります。

購入したもの


こちらの革ポシェットとブルースティック(洗濯用石鹸)を購入しました。



ここでは革ポシェットにフォーカスし、ブルースティックについては実際の使用感を踏まえた記事を別途書こうと思います。

で、本題から若干逸れますが、そもそもこういうバッグって正しい呼び名がよく分かってません。
ポーチとかショルダーバッグとか、サコッシュとか色々あるじゃないですか。何となくここではポシェットと呼ばせていただきます。(有識者の方がいらっしゃいましたら、ご指摘ください。)

素材・見た目など



このポシェット、ついていたタグを見るに、広島県内にある刑務所で製造されたもののようです。(買ったのは都内です。)

ポーチタグ

素材は牛革とだけ記載されています。ダークブラウンの本革です。産地等不明ですが、見た目や触れてみた感じではそれなりに高級感のある質感です。経年変化も十分楽しめそうです。
一枚革で作られており裏地はなく、床面の起毛感が良い感じです。
また、金属パーツも少し燻んだものが使用されており、どことなくアンティークな雰囲気があります。

容量など


大体のサイズですが幅18×奥行7×高さ10cmくらいです。
フタ(正式な呼び方が分かりません…有識者の方…!)は外側と内側の二重になっており、いずれも金具ボタンで留めるタイプです。

外側のフタを開けると、マチのあるポケットが一つとチャック付きのフラットなポケットがあります。

このチャック付きポケットが個人的にかなり気に入っております。旅先等、ふらっと出かける際には、ここにクレカやお札を入れておけば会計のときにさっと取り出せて便利です。(最近キャッシュレス化の波で、ほぼ長財布を持ち歩かなくなりました。)

外側のフタを開けると、「H」とロゴっぽい文字が。
おそらく広島刑務所を表しているんだと思います。
目立たない位置にあるのが良いですね。


また、内側のフタを開けると、マチのあるポケットが二つ。アコーディオンのような形状です。厚みのあるものはこっちに入れてますね。こちらのポケットに入れたものは外側のフタも開けないと取り出せないので、その点は若干不便かも。


そこまで大容量という訳ではないですが、ヒロカワ製靴のセール会場で購入した山羊革の1,000円サコッシュに比べたら、それなりに色々入ります。(サコッシュはスマホとキーケースだけでパンパンになります。)持ち物に応じて、サコッシュかこのポシェットかは使い分けていきたいですね。

物を入れるとこんな感じ。本も薄い文庫本であればギリ入ります(曲がりますが)。




増えていく革小物たち。写真写りとエイジングの差で違うように見えますが、以前紹介したマザーハウスのトートとほぼ同じような色・革質です。

ショルダーベルトは穴が5箇所空いており、5段階で調節可能です。また、簡単に取り外せるので、ハンドバックのようにも使えます。


価格について

以上、質感・実用性ともにかなり気に入っておりますが、びっくりするのがそのお値段。

なんと、4,290円です。安すぎますね。。。

この価格が実現できるのは、冒頭に述べた刑務所作業品だからこそ。ただこれをどう捉えるかは多種多様な意見があると思います。

また、「誰が作ったのか」という心理的な壁はやはりあると思います。
個人的には、受刑者の更生・社会復帰を趣旨にしている点や、売上げの一部が犯罪被害者支援団体の活動支援に使われる点等を踏まえると、そんなに気になりません。ただ直接の犯罪被害関係者という立場だとやはり抵抗はあるかと思います。

実際、皆さんも知っているような企業が、刑務所に製造を発注し、流通している製品も少なくないようですが、そうした企業は、ブランドイメージ低下や偏見を懸念し、刑務所作業品であることは公表していないことが多いようです。

以上、今回はいつもとは違い、社会的なテーマでもありましたが、皆さんも刑務所作業品について感じたことがあれば是非コメントください。

おまけ

 直売会では革靴も売ってました。
マッケイやセメント製法のもの。よくある紳士靴という感じ。本格革靴との差は感じましたが、軽量ですし靴にこだわりのない方が仕事用に履くにはちょうど良さそうだと思います。


後輩からの一言
「僕もちょうど同じようなカバンを探してて、ショルダーバッグで検索してましたね。実物見せてもらいましたが、レザーの質感も良くて縫製も良くて欲しくなりました。自分は黒が。今もあるのかわかりませんが刑務所作業品のハンドソーンを一度見てみたいものです。」

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